【都議会自民の裏金】「政治活動に使った」のに収支報告書に不記載 「意味不明」批判の主張数々

東京都議会自民党の裏金問題の真相解明が進まない。
各会派は改めて自民党会派に質問状を送り、9日正午までの回答を求めている。
これまで裏金問題に関与した都議らは、ホームページや都議会で経緯や裏金の使い道などを説明してきた。
しかし、その発言を検証してみると、矛盾する説明や政治資金収支報告書との齟齬（そご）がうかがえる。
他の会派から「全く意味不明」との批判の声が上がるほど、つじつまの合わない自民党都議らの説明を振り返ってみた。（小沢慧一、中沢誠）

◆裏金と同額を繰り越し
都議会の自民議員でつくる政治団体「都議会自由民主党」の政治資金パーティーでは、都議がノルマを超えてパーティー券を販売した場合、会派に納めず、中抜きする形で都議自身の収入にしていた。その収入は収支報告書に記載せず、裏金となっていた。
この問題で焦点になっているのが、「裏金の使い道」だ。
6月22日投開票の都議選に立候補が見込まれる現職16人と元職1人は、裏金発覚後、自身が代表となっている政党支部の政治資金収支報告書を訂正した。
訂正された収支報告書を確認すると、いずれも不記載にしていたパーティー券収入と同額が「翌年への繰越額」に上乗せされていた。つまり裏金には手をつけず、そのまま貯めたというふうに受け取れる記載になっていた。
◆政治活動への支出の記録なし
ところが、裏金をそのまま翌年に繰り越していたとすれば、矛盾が生じる。
17人の都議らの中には、裏金発覚後、記者会見や自身のホームページなどで「政治活動に使った」と説明している人がいるからだ。
政治活動に使っていたのなら、収支報告書の人件費や政治活動費などの支出の欄が訂正されているはず。しかし、17人とも支出の欄はそのままだった。
「政治活動に使った」と説明しているのに、なぜ政治活動に支出した記録がないのか？
◆小宮安里都議「100万円、政治活動に使った」
2019年に100万円、2022年に250万円が不記載となっていた小宮安里都議（4期、杉並区）も、説明と収支報告書の訂正内容に矛盾がうかがえる1人だ。
小宮氏は4月16日の都議会の政治倫理条例検討委員会で、2019年の100万円について「政治活動に使った」と明言した。
ところが、小宮氏の訂正された収支報告書を見ると、2021年分は「前年からの繰越額」と「翌年への繰越額」がいずれも100万円増えていた。
つまり2019年に不記載にしていたパーティー券収入と同額が、2年後の2021年まで手つかずのまま貯められ、かつ翌2022年にそのまま繰り越していたことをうかがわせるような記録だ。
もし不記載にしていた100万円をそのまま翌年に繰り越していたのなら、「政治活動に使った」とする小宮都議の主張と食い違いが生じてくる。
◆鈴木章浩都議はホームページの説明から一転(略)
◆食い違う説明「全く意味不明」(略)
◆「交通費に使った」と説明したが(略)
◆「説明責任を果たす」と言いながら…(略)
都議会自民党の裏金事件(略)
東京新聞　2025年5月9日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/403563