＜芸道まっしぐら＞立川流初、女性真打ちへ　落語家・立川こはる

2023年2月24日 07時29分

　落語家の立川こはる（４０）が五月五日、落語立川流で初めて女性真打ちに昇進する。立川談春（５６）に入門して十七年。
昇進後は師匠が名付けた「小春志（こしゅんじ）」を名乗る。「落語を知らない人に楽しさを広めるためにも売れないと。小春志の名前も大きくしたい」との決意を胸に、真打ちへと羽ばたくこはるの落語道とは－。
　「真打ちになれ」。師匠からそう告げられたのは昨年七月だった。
　その二カ月前。東京・浅草公会堂で開かれた談春の独演会「談春五夜」に連日出演。「初音の鼓」「粗忽（そこつ）の釘（くぎ）」など難しいネタを五席披露した。
高座を終えて退場する時の拍手の大きさに、談春は昇進を決断したという。「お客さまがここまで推してくれるのなら、（昇進は）しょうがないということですかね」と感慨深げに振り返る。
　「談春五夜」は昇進試験を意識し「つたないながらも一生懸命やりました」。やり遂げた達成感が、今のパワーになっている。
　東京都港区出身。生物学を学ぶため東京農工大に進み応用昆虫学を専攻、トビムシの研究に熱中した。一方で、新入生勧誘で「ラーメンをごちそうする」との言葉に釣られて、全く接点のなかった落語研究会に入部。いろいろ聴くうちに落語への興味が深まった。
　二年の時に初めて談春の落語を聴いた。「心をわしづかみにされた」と大きな衝撃を受け、談春の落語にのめりこんだ。
好きな研究と落研を両立するため大学院に進んだが、「人生は一度。弟子入りしよう」と一年でやめて談春の門をたたいた。志願の作文を書き、やる気と情熱が認められて入門がかなった。
　二つ目昇進の時、師匠宅で昇進試験があり、落語五十席を書き出した。合わせて日本舞踊を踊った。その所作は落語を演じる時に生きている。
「私自身が想像できないとお客さまにリアルに伝わらない」と、侍が刀を抜く所作を居合で学ぶなど探究心は人一倍強い。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/232903

森雪は講談師になる前が
ピークだし。