しんぶん赤旗「世の中には金銭取引の対象にしてはいけない、できないことがあり売春はその一つです」

https://www.jcp.or.jp/akahata/aik24/2024-10-22/2024102201_03_0.html

　総選挙で、ジェンダー平等社会の実現を本気で目指している日本共産党の躍進に期待しています。

　本気度が見えるのは、政策で性売買は「人間の尊厳と価値、男女平等の権利を侵害するもの」だとして、なくすための手だてを掲げているからです。

■金銭で女性支配

　性的な行為は、適切な性的同意がなければ心と体を侵害する暴力になります。ところが性売買は性的同意を金銭で買ったことにしてしまいます。

　金銭取引は、売り手より買い手に強い立場を与えます。当事者の女性の話を聞くと、買春者が性風俗店やホテルで女性に「何をしてもいい」と従属させています。性売買では女性の尊厳や女性の心と体を支配する権利が取引されているのです。

　世の中には、金銭取引の対象にしてはいけない、できないことがあると思います。性はその一つです。

　女性が「売る」立場におかれるのは、ほかに生計の手段がない状況に追い詰められているからです。そうした状況は、政治、経済、法律など日本社会のジェンダー不平等がつくりだしています。

■政治課題として

　性売買の問題はきわめて政治の課題です。

　性売買店舗の集積地である「遊郭」の歴史は江戸時代にさかのぼり、「性差（ジェンダー）の日本史」展（２０２０年、国立歴史民俗博物館）で示されたように、戦前には多い時で年間のべ３０００万人の男性が遊郭に通い、「慰安婦」問題の原因にもなりました。戦後も海外買春ツアーが組まれ、おおっぴらに「男のかい性」といわれました。この歴史を人権尊重の立場で反省せずにジェンダー平等社会を実現できるでしょうか。

　現行の売春防止法は「売春」を禁止しますが、不十分な規制で多くの性的な行為が合法とされ、違法行為も見逃されています。「売春を勧誘した者」として事実上女性にだけ厳罰を科しています。

　日本共産党は政策で女性の人権を守り、性的搾取の被害者救済の立場で売春防止法を改正するとして、「性を売る女性は非処罰化し、業者と買春者を処罰する『北欧モデル』と呼ばれる立法に学び、ジェンダー平等の立場にたった法整備を行います」と表明しました。ぜひ総選挙で躍進してもらい、政策の実現に力を合わせたいと思います。