【草食系】女性優位な新薬の開発～精子を麻痺させるジェル、無精子症にする塗り薬

■精子が動かなくなる画期的避妊薬を開発

　コンドームやピルなどをはじめ、多くの効果的な避妊法が利用可能であるにもかかわらず、世界中の妊娠の40パーセント以上が意図されたものではないという。人口増加の大きな要因であることに加えて、意図しない妊娠は母親の身体的、精神的、経済的幸福に顕著な悪影響を与える可能性をはらむ。それでも一部の人々は避妊には無頓着だ。

　手軽で確実で、何の不快感もない避妊法があればそれに越したことはないのだが、先日、米ボストン大学医学部の科学者たちは、精子が凝集して動かなくなる抗体を開発したことを医学ジャーナル「ランセット」で発表した。

　カリフォルニア州サンディエゴを拠点とするバイオ企業「ZabBio」と共同で開発された「ヒト避妊抗体（HCA）」は、局所避妊薬としての適合性を評価するために健康な男性ボランティアの協力のもと、さまざまな濃度とさまざまな条件下ででテストされた。

　テストの結果、精子は15秒以内に固定化されしっかりと凝集した状態になったのだ。まさに精子を麻痺させて動けなくしたのである。また、このHCAは膣の炎症を引き起こさないことも確認された。

　研究チームのデボラ・アンダーソン教授は、HCAは溶解可能なフィルムを腟内に塗布することで「女性がコントロールできるオンデマンドの避妊方法」になると説明している。現在、人間を対象とした第I相臨床試験が行われているということだ。

「HCAは、現在利用可能な避妊法を使用していない女性にも使用でき、世界の健康管理に大きな影響を与える可能性があります」（アンダーソン教授）

　またHCAをHIVや単純ヘルペスウイルスと戦う抗体など他の抗体と組み合わせて、避妊と性感染症予防を兼ね備えたジェルを作成することもできるということだ。

　確実で一切不快な思いをせずに使える避妊ジェルがあれば確かに普及が進むのかもしれない。商品化された際の消費動向が気になるところだ。

■塗るだけの男性用ホルモン避妊薬が発売直前

　HCAだけではない。コンドームやいわゆるパイプカットを除いて、ほぼすべての避妊法は女性に焦点を当てているが、かなり有望な「男性用ピル」の臨床試験が最終段階に入っているという。

　現在100人以上の男性が試験に参加している男性用避妊薬が「ネストロン（Nestorone）」である。ネストロンは市場に出る最初の男性用ホルモン避妊薬ということにな…etc

精子を麻痺させるジェル、無精子症にする塗り薬… 男ターゲットの避妊薬が次々爆誕、いよいよ精子滅亡“スペルマゲドン”へ!!
https://tocana.jp/2021/08/post_216305_entry.html
文＝仲田しんじ

えんがわ