【自民】小野田議員「…してない人はヒトパピローマウイルス（HPV）に感染してない」“女性のがん検診の必要性”を国会で徹底議論

※調査日:2022年6月2日、2021年6月30日

小野田議員「性交渉してない人はヒトパピローマウイルス（HPV）に感染してない」「18歳から34歳の未婚者の半数以上は性交経験がない」…“女性のがん検診の必要性”を国会で徹底議論 | ABEMA TIMES
https://times.abema.tv/articles/-/10177954

2025/05/12 19:39

　12日、参議院決算委員会にて自民党の小野田紀美議員ががん検診について質問した。

　小野田議員に乳がん検診と子宮がん検診の受診率・目標値を聞かれた厚生労働省大坪寛子健康・生活政策衛生局長は「令和4年の国民生活基礎調査によると、乳がんの検診受診率が47.4％、子宮頸がんの検診受診率が43.6％。目標値は令和5年3月に閣議決定された第4期がん対策推進基本計画の中で60％を目指している」と回答。

　これを受けて小野田議員は現在のがん検診の“課題”について以下のように指摘し質問した。

「例えば胃がんはピロリ菌があったらかかりやすいなどリスクが分かれている。子宮がん検診もリスクがはっきりしていて、ヒトパピローマウイルス（HPV）に感染すると子宮頸がんになるが、感染してなければリスクはほぼ0。誰でも感染するわけではなく、ヒトパピローマウイルスに感染するのは性交渉であり、性交渉してない人はヒトパピローマウイルスに感染してない。でも、それは『お知らせ』にも書いていない。そのため、本当は感染してなくてほぼ子宮頸がんになる可能性が0に近い人も『自分も受けなきゃいけないんだ』と受けている例もかなりたくさんある」

「国立社会保障人口問題研究所の調査によると、18歳から34歳の未婚者のうち性交経験のある割合は女性で47.5％、つまり半数以上は性交経験がない。2020年時点で女性の生涯未婚率は17.8％近く、20％を超えると言われていることを考えると、一律に『60％です。やりましょう』と本当は全くウイルスに感染していなくてこれをやる必要がない人も金銭的にも体的にも負担のかかるものをやらなくてはいけなくなっている。もう少し啓発をして『性交経験者じゃない人たちにはこれは必要ないよ』ということ、もうちょっとわかりやすく案内すべきだと思うがいかがか？」

これに対し、大坪寛子健康・生活衛生局長は「ご指摘のように女性におけるHPVの感染の主な感染経路は性交渉だ。性交渉の経験のない女性は感染率が低いため、子宮頸がんの罹患リスクも低く、検診をしましてもがんや上皮内病変はほとんど発見されていない」と同意。

　続けて「一方で、自治体で検診の運用をやっていただく際に、性交渉の経験のない方を検診対象から除外することは極めて現実的ではないところであり、（小野田）先生がご提案のように、ご本人によく理解をしていただくことは大事だと思う。今現在、性行為の経験のない方についてはHPV感染率が低く、子宮頸がんの罹患のリスクが低いことなど、あらかじめ説明した上で受診をしていただくことを推奨はしており、国立がん研究センターのホームページ等でその旨を周知している。引き続き、受診者ががん検診の意義や必要性を適切に理解できるように努めたい」と述べた。

　小野田議員は「一応サイトには書いてくださっているが、やはり皆さんが見るのは自治体から送られてきた『検診のお知らせ』というハガキだと思うがそれには書いてない。例えばある自治体では『子宮を手術で取った人はもう必要ない』などと記載はある。『自治体に把握しろ』なんてことは言わないが、『私、いらないんだ』と本人が分かるような記載もした方がいい。よく厚労省の答弁で『がん検診の実施にあたっては…』というところに『過剰診断等の不利益を上回る』という“過剰診断”になってしまうと思うので必要のない方は受けなくていい、ここの啓発をお願いしたい」と訴えた。
（ABEMA NEWS）