【スウェーデン・ヨーテボリ大学研究】格差の拡大…低所得・低教育レベルの人は、コロナワクチン接種率が低い

スウェーデンでは、春季のCOVID-19ワクチン接種プログラムが国内の複数の地域で最終段階を迎えています。

このプログラムでは、社会の高齢者を含む、重症化リスクの高い人々を対象に、無料の追加接種が実施されています。

これと並行して、パンデミック中およびパンデミック後、2024年初頭までの高齢者のCOVID-19ワクチン接種率に影響を与えた要因に関する研究が発表されている。

『Public Health』誌に掲載されたこの研究は、65歳以上の200万人以上を対象としている。

結果は、スウェーデンの高齢者におけるワクチン接種率に地域差が生じていることを裏付けています。

2020年12月にワクチンが導入された時点では、高齢者の95%がワクチン接種を受けており、スウェーデンの地域間で接種率に有意な差はありませんでした。しかし、この状況は徐々に変化しています。

追加接種および季節接種の調査期間中、ワクチン接種を継続している高齢者の割合が減少していることが示されています。特にスコーネ県、ストックホルム県、ヴェストラ・イェータランド県、および65～80歳の高齢者において顕著です。

調査対象の中で最も低い数値は、6回目の接種でワクチン接種を完了した3つの大都市圏の65～80歳の高齢者で、接種率が60%未満でした。

地域差に加え、地理的要因以外の要因も見られ、こちらの方がより大きな影響を与えました。

男性、スウェーデン国外で生まれた人、低所得・低教育レベルの人では、ワクチン接種を受けた人の割合がかなり低かったのです。

これは過去の研究結果と一致しており、対策を講じたにもかかわらず、依然として差が残っていることを示しています。

地域間の差異の原因の一つとして、国家間の連携と優先順位の不備が考えられます。ヨーテボリ大学、カロリンスカ研究所、スウェーデン公衆衛生局の研究者たちは、今回の結果は、地域間の差異を最小限に抑えるために、的を絞った介入を行うことの重要性を強調するものと考えています。

地域格差と社会経済格差の両方がワクチン接種プログラムへの脅威となっていると指摘されています。本研究の筆頭著者は、ヨーテボリ大学サールグレンスカ・アカデミーの職業環境医学准教授である徐易怡氏です。

「ワクチン接種率が低いと、特に高齢者において、重症化やアフターコロナへの脆弱性が高まります。ワクチン接種率の均一化を確保するには、引き続き国家間の連携が重要であり、接種率が一貫して低い社会経済的に恵まれない層に焦点を当てるべきです」と彼女は述べています。

ヨーテボリ大学サールグレンスカアカデミー職業環境医学准教授、徐怡怡氏
COVID-19ワクチン接種をインフルエンザワクチン接種などの日常的な健康介入と結び付けると、COVID-19ワクチン接種率が向上し、存在すると思われる障壁が減り、公衆衛生コストが削減される可能性があります。」

Socioeconomic gaps persist in COVID-19 vaccination among older Swedes

The spring COVID-19 vaccination program in Sweden is in its final stages in several parts of the country. The program ha...

www.news-medical.net

スウェーデンの高齢者におけるCOVID-19ワクチン接種率の地域差とその決定要因
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0033350625001477?via%3Dihub

分析した異なる接種回数にかかわらず、ほぼすべての個人レベルの要因がワクチン接種率と関連しており、パターンは同様であった。

年齢はワクチン接種率の重要な要因であり、年齢が若いほど接種率が低い。男性、スウェーデン国外で生まれた、収入が低い、教育水準が低い、未婚または離婚/死別は、いずれも接種率の低下と関連していた。