【サイバー攻撃】 中国拠点のハッカー集団「ブラックテック」政府や産業、技術、メディアなど狙いか 警察庁が注意喚起

警察庁と内閣サイバーセキュリティセンターは２７日、米国家安全保障局（ＮＳＡ）や米連邦捜査局（ＦＢＩ）など
日米関係当局合同で、中国が拠点のハッカー集団「ＢｌａｃｋＴｅｃｈ（ブラックテック）」によるサイバー攻撃が脅威になっていると
文書などで注意喚起を行った。
同集団は、２０１０年頃から、日本や台湾、米国などの企業・団体から情報窃取を続けていることが確認されたという。

警察庁の文書によると、同集団は、ネット接続を中継する「ルーター」の脆弱（ぜいじゃく）性を狙い攻撃を仕掛ける傾向があり、
海外子会社のルーターを乗っ取り本社ネットワークに侵入する特徴があるという。

被害組織名は明らかにされていないが、政府や産業、技術、メディア、電気通信分野などを狙ってきたという。
防衛装備品に関する情報流出が懸念された三菱電機へのサイバー攻撃への関与を報じるメディアもある。

今回の注意喚起は、関与が疑われる国や組織を名指しし、被害抑止や牽制（けんせい）を目的とする
「パブリック・アトリビューション」の一環として公表された。

日本のサイバー防御をめぐっては、米紙ワシントン・ポストが今年８月、米国側が２０年秋、
中国軍のハッカーが日本の防衛ネットワークに侵入していることを察知したとして、「ここ最近で最も深刻なハッキングだ」と日本政府に通報。
翌年にも日本側の対策が十分ではないとして再度警告したことを伝えている。

同紙によると、ロイド・オースティン国防長官も日本政府に懸念を伝えていたという。
当時の浜田靖一防衛相は会見で
「サイバー攻撃により防衛省が保有する秘密情報が漏洩（ろうえい）したとの事実は確認していない」と述べていた。

防衛省では今年７月、整備計画局に「サイバー整備課」を新設し、
自衛隊のサイバー分野の専門部隊も２７年度をめどに約４０００人に増強する計画だ。

中国のハッカー集団と、日本の対応をどう見るか。

軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏は「中国は１５年頃からサイバー部隊をさらに強化した。
『ブラックテック』は人民解放軍にいくつもあるサイバー部隊の１つで、これまで東アジアのハイテク企業などを中心に技術情報を盗んできた。
世界の軍事では、サイバー戦がメインになっているが、日本の対応は遅れている。
自衛隊のサイバー部隊の強化の遅れとともに、官民の協力もまだ不十分だ。
今回の注意喚起は米主導で行われた。日本の民間企業にアピールする狙いがあったのではないか」と話した。

夕刊フジ　2023.9/28 12:04
https://www.zakzak.co.jp/article/20230928-FAICBKN5YVKETPTRC5WLTFPAQQ/

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